「産後、足がグローブくらいパンパンにむくんで辛い…」
「産後入院中の生活を快適に過ごすためには何を準備すればいい?」
このようなお悩みはありませんか?
産後入院中のむくみ対策として、ぜひ備えておきたいのが「着圧ソックス」です。産後は運動不足やホルモンバランスの変化でむくみが起こりやすくなりますが、着圧ソックスで手軽に対策できます。
本記事では、産後入院中のむくみの原因や、その対策法として着圧ソックスがおすすめな理由などを解説します。産後入院中に役立つ準備リストも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
産後のむくみとは?妊娠中より入院中の方が酷くなる?

産後のむくみは多くの女性が経験する症状のひとつです。出産後に体内の余分な水分が排出されにくくなり、手足や顔がむくみやすくなります。
産後太りとむくみは混同されがちですが、異なる症状なので注意が必要です。ここでは、産後入院中のピークと産後太りとの見分け方を解説します。
産後入院中のむくみはいつまでがピーク?

産後入院中のむくみのピークには個人差がありますが、一般的には出産後2〜4日目がピークと言われています。その後は徐々に症状が落ち着き、産後1ヶ月、長くても2〜3ヶ月までにはおさまっていくのが一般的です。
これは、出産時のホルモンバランスの急激な変化や、分娩時の水分補給が原因です。特に帝王切開の場合、点滴の量が増えるため、体内に入る水分量も多くなり、むくみが強くあらわれることがあります。
産後太りとむくみの見分け方は?

産後の体重増加が「むくみ」なのか「脂肪」によるものなのかを見分けることが大切です。それぞれ対処法が異なるため、正しく判断しなければ効果的な対処ができなくなります。
産後太りとむくみの見分け方は以下のとおりです。
- 足のすねの硬い部分を指で押して10秒間キープ
- 指を離して5秒後の状態をチェック
指の跡が残っていればむくみ、跡がスッとなくなれば産後太りの可能性が考えられます。産後のむくみは、適度な運動や着圧ソックスの使用などで改善されることが多いです。
産後太りは生活習慣や食事管理を見直す必要があります。産後太りかむくみかわからない場合は、整体に相談するのもおすすめです。
産後入院中にむくみが悪化しやすい理由

産後入院中にむくみが悪化しやすい理由は以下のとおりです。
- 水分量の変化
- 長時間のベッド上生活
- 睡眠不足
- 骨盤内のリンパの損傷
- ホルモンバランスの乱れ
それぞれ解説します。
水分量の変化
出産後は体内の水分バランスが大きく変化し、それがむくみの原因となることがあります。これは出産後、羊水の排出や出血などで体内の水分量が急激に減少するためです。
また、帝王切開の場合は点滴を受ける量も多くなり、一時的に体内に余分な水分が溜まることも少なくありません。
産後の水分補給は必要ですが、一度に大量に飲むのではなく、少量ずつこまめに摂取することがポイントです。
長時間のベッド上生活

出産直後の入院生活では、体力の回復を優先して長時間ベッドで過ごすことが多くなります。長時間ベッド上にいると、必然的に運動不足になるでしょう。
動かずに横たわっていると、血液やリンパの流れが滞りやすくなり、下半身に水分が溜まりやすくなります。足元を少し高くして寝たり、着圧ソックスを取り入れたりするなどでむくみ対策をしましょう。
ただし退院後は、急に動きすぎると免疫力が低下し、貧血や体調不良を引き起こす可能性があるので注意してください。
睡眠不足
産後の睡眠不足もむくみを悪化させる原因のひとつです。入院中は出産の疲労やホルモンバランスの乱れで深く眠れないことが多く、睡眠が細切れになりがちです。
睡眠不足になると、自律神経の乱れや血流の循環が悪くなり、体内に溜まった水分が排出されにくくなります。
産後入院中、なかなか眠れない場合は、昼間の仮眠や医師・看護師に相談するなどしましょう。
骨盤内のリンパの損傷

出産時の分娩過程で骨盤内のリンパ管が圧迫されたり損傷したりすることがあります。リンパ管は、体内の余分な水分や老廃物を排出する重要な役割があり、それが損傷することで、下半身にむくみがあらわれます。
リンパの損傷によるむくみは、時間経過とともにおさまることが多いです。ほかには、リンパマッサージや軽いストレッチを取り入れてリンパの流れを促進させることも効果的です。
ホルモンバランスの乱れ
出産後、急激にホルモンバランスが変化することもむくみの一因といえます。女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が急激に変化し、体内の水分代謝が乱れやすくなるためです。
ホルモンバランスの乱れによるむくみは、自然におさまることが多いですが、日常的なケアも必要となります。ホルモンの調整をサポートするためには、栄養バランスの良い食事や適度な水分補給を心がけることが大切です。
産後入院中のむくみ対策に着圧ソックスがおすすめの理由

産後入院中に手軽に取り入れられるむくみ対策のアイテムとして、着圧ソックスがおすすめです。ここでは、着圧ソックスのメリットやデメリット、使用するタイミングなどを解説します。
着圧ソックスが引き起こす“良い変化”
産後入院中に着圧ソックスを使用することで、さまざまな良い変化があります。それが以下のとおりです。
- 血流の促進
- むくみの軽減
- 冷えの予防
- 筋肉のサポート
- 足の疲労軽減
- 下肢静脈瘤の予防
着圧ソックスは筋肉の収縮をサポートするため、寝たきりの時間が多い産後の回復期にも有効です。適切なサイズと圧力を選ぶことで、水分や老廃物を排出し、脚やせ効果や冷え対策にもつながるでしょう。
着圧ソックスの詳しい効果はこちらの記事も参考にしてください。

実は危険?着圧ソックスが引き起こす“悪い変化”

着圧ソックスにはむくみ改善効果がありますが、使用方法を誤ると逆に健康リスクを引き起こす可能性もあります。具体的なリスクとしては以下のとおりです。
- 血行不良
- かゆみ・湿疹・肌荒れ
- 痺れや痛み
- 着圧により動きづらい
- 筋力が低下する可能性がある
これらのデメリットは、「着圧ソックスのサイズが合っていない」「素材が肌に合っていない」「圧力が強すぎる」などが原因です。
さらに、疾患を抱えている場合、着圧ソックスの使用が症状を悪化させる可能性があるため、事前に医師に相談することをおすすめします。
着圧ソックスの詳しいデメリットについては、以下の記事も参考にしてください。
着圧ソックスは産後入院中のいつから履けばいい?
産後入院中に着圧ソックスを履き始めるタイミングは、分娩方法や体調によって異なります。自然分娩の場合は出産直後から装着可能で、帝王切開でも使用は問題ありません。
とはいえ、産後すぐに動くのは辛く、着圧ソックスを着脱するのも一苦労でしょう。その場合は無理に着用しようとせず、看護師さんやご家族に手伝ってもらうなど、自身の体調に合わせて装着することが大切です。
退院後も着圧ソックスは継続するべき?

退院後もむくみが続く場合や長時間の座りっぱなし・立ちっぱなしの生活が続く場合には、着圧ソックスを継続して使用するのをおすすめします。赤ちゃんの世話で立ち仕事が増えたり、授乳で長時間座る姿勢が続いたりする場合には、下半身の血流をサポートするためにも着圧ソックスの着用が効果的です。
ただし、むくみが改善されてきた場合や圧迫感が強く感じる場合は、無理に続ける必要はありません。医師の指導に従い、日常生活の状況に合わせて着用しましょう。
出産後の冷え対策:着圧ソックス+温活アイテムの組み合わせ術
産後は血流の悪化や貧血、自律神経の乱れなどにより、体が冷えやすい状態です。ここでは、出産後の冷え対策として、着圧ソックスと温活アイテムの組み合わせ術について解説します。
着圧ソックスと湯たんぽの組み合わせ

出産後の冷え対策としては、着圧ソックスと湯たんぽの併用がおすすめです。着圧ソックスは適度な圧力で血流を促進し、冷え性の改善にも期待できますが、ソックスだけでは十分に温まらない場合もあります。
湯たんぽをプラスすることで足元をじんわりと温め、血行促進やリラックス効果が得られます。特に冬場は安眠効果も期待できるため、就寝前や横になっている時間に取り入れるのがおすすめです。
意外と知られていない「足首温めカイロ」の使い方
産後の冷え対策としておすすめなのが「足首温めカイロ」の活用です。カイロといえば、背中や首の後ろに貼るのが一般的ですが、足首に貼るのもおすすめできます。
足首には太い血管が通っており、ここを温めることで全身の血流がスムーズになりやすくなります。特に就寝前や授乳中など、長時間同じ姿勢でいる際に使用すると効果的です。
また、足首を温めることで全身の冷えが軽減されるだけでなく、足元のむくみも和らぐため、着圧ソックスとの併用も有効です。ただし、カイロには低温やけどのリスクがあるため、肌に直接当てないようにしましょう。
産後入院中のむくみを軽減する着圧ソックスの正しい履き方

着圧ソックスは正しく履かなければ効果は期待できません。正しく履くことで、むくみの軽減や血行促進効果を最大限に引き出せます。
着圧ソックスの正しい履き方は以下のとおりです。あくまで一例なので、使用する着圧ソックスの取扱説明書などを参考にしてください。
- ソックスの中に手を入れ、かかとの部分をつまみ、裏返しにしておく。
- かかとを合わせて足首まで引き上げる
- 両手で少しずつ膝下まで引き上げる
- シワができた場合は一度下ろして履き直す
- 足全体を撫でて圧力が均一になっているか確認する
産後入院中は、1人で着圧ソックスを履くのが難しいかと思います。その場合は、看護師さんやご家族に手伝ってもらいましょう。
産後のむくみ対策で気をつけたいポイント

産後のむくみは1カ月程度で自然と改善されることが多いですが、むくみが治らない場合には他の病気が潜んでいる可能性もあります。注意しなければならないのが「周産期心筋症」です。
これは妊娠・出産をきっかけに心機能が低下し、心不全を引き起こす疾患で、全身のむくみや息切れ、倦怠感、咳などの症状があらわれることがあります。
また、授乳中の方は薬の使用を避ける必要があるため、むくみ対策は着圧ソックスや足のマッサージ、軽い運動などを取り入れるのがおすすめです。症状が改善しない場合は、早めにかかりつけ医に相談しましょう。
産後入院中に役立つ準備リスト

産後入院中は、自身の体調回復のために重要な期間です。そのため、快適に過ごすための準備リストを確認し、しっかり揃えておきましょう。
- 着圧ソックス: むくみ防止や血流促進に役立つ
- 授乳クッション: 肩や腕の負担を軽減し、授乳が楽になる
- 授乳用ブラ: 授乳しやすくサポート力のあるブラジャー
- 産褥パッド: 出産後の出血対策として必須
- 産褥ショーツ: 産後の体型に合わせた快適なショーツ
- 携帯充電器: 長時間の入院でも安心
- 保湿クリーム: 乾燥しがちな肌をケア
- ペットボトル用ストローつきキャップ:寝たまま飲み物が飲める
- 耳栓やアイマスク: 病室での睡眠環境を整えるために役立つ
必要な持ち物は人によって異なりますが、しっかり準備しておくことで、入院中のストレスを減らせます。
まとめ
産後入院中のむくみは、ホルモンバランスの乱れや長時間のベッド上の生活などが原因で、多くの女性が悩む症状のひとつです。着圧ソックスはむくみの改善や冷え、下肢静脈瘤の予防などに役立ちます。
しかし、適切なサイズや圧力を選ばなければ、血行不良や肌トラブル、筋力低下のリスクがあるため注意が必要です。産後の症状で不安がある場合は、必ずかかりつけ医に相談してください。
よくある質問
ここでは、産後のむくみについてよくある質問に答えていきます。
- 産後のむくみはいつから始まりますか?
-
出産直後からむくみがあらわれることも多く、特に2〜4日目がピークとされています。その後は徐々にむくみが落ち着き、産後1ヶ月、長くても2〜3ヶ月までにはおさまっていくのが一般的です。
- 産後入院中のむくみ対策を教えてください
-
着圧ソックスの着用や足のマッサージ、足元にクッションを敷いて少し高くすることで、血流を促進し、むくみの軽減につながります。