妊娠によるホルモンバランスの変化でつわりやむくみなどで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、妊娠中のむくみで悩んでいる方に向けて、着圧ソックスを寝る時に使用するメリットや夜用と昼用の着圧ソックスの違いなどについて解説します。
また、妊娠中に着圧ソックスを使用する際によくある質問にも回答しますので、ぜひ最後までご覧ください。
妊娠中寝る時にむくみがひどくなる理由

妊娠中にむくみがひどくなる理由はいくつかあります。
- ホルモンバランスの変化
- 赤ちゃんの重みによる血管の圧迫
- 運動不足
今回は上記の3点について詳しくみていきましょう。
ホルモンバランスの変化
まず一つ目が、ホルモンバランスの変化によるむくみです。妊娠することで女性の体内ではホルモンバランスが変化します。その影響で体内の血液量が増えたり、妊娠を維持するために必要な栄養素や水分を体に溜め込みやすくなります。その結果、手足が腫れぼったくむくみを感じやすくなるのです。
赤ちゃんの重みによる血管の圧迫
次に赤ちゃんの重みによる血管の圧迫です。妊娠中期や後期につれて赤ちゃんもスクスクと成長し日々大きくなっていきます。その影響で体内の臓器や血管が圧迫されるのです。足がむくみやすくなるのは、赤ちゃんの重みで足の付け根の大静脈が圧迫されることにより血流が悪くなることが大きな原因と言えるでしょう。
運動不足
そして3つ目の原因は、運動不足です。妊娠中は激しい運動ができません。つわりで日常生活がままならない方もいらっしゃるでしょう。その結果、運動不足になりやすく第二の心臓とも言われているふくらはぎのポンプ機能が低下しやすくなっています。
妊娠中の寝る時に着圧ソックスを使うメリット

妊娠中の寝る時に着圧ソックスを使うメリットは、
- 起床時にすっきりする
- 足の冷えを防ぐ
などがあります。
就寝時に着圧ソックスを使うことで、足のむくみを防いだり疲れを軽減する効果があります。また、足を冷やすとつりやすくなるのでその予防にもなるのです。
妊娠中の寝る時に着圧ソックスを使う際の注意点
妊娠中に着圧ソックスを使用する際は、圧迫の強さや着用時間に注意が必要です。強すぎる圧は血行を妨げたり、子宮への血流に影響を与える恐れがあります。
医療用でなく市販の軽めの着圧ソックスを選び、就寝時には専用タイプを使うのが安心です。また、長時間の着用を避け、違和感やむくみの悪化があればすぐに使用を中止しましょう。使用前に医師や助産師に相談するとより安全です。
寝る時専用の着圧ソックスと日中用の違いは?どっちが妊娠中にいい?

着圧ソックスにも様々な種類があり、
「結局どれを選べばいいかわからない・・・」
という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、寝るとき用と日中用の着圧ソックスの違いや、妊娠中はどちらを使うと良いのかについて解説していきます。
寝る時用と日中用はどこが違う?
着圧ソックスには寝る時用と日中用があるのをご存知でしょうか。二つの大きな違いは圧力の強さです。
寝る時用は、リラックスして快適な睡眠ができるように弱めの圧力に設計されています。就寝時は身体が横向きなので日中に比べると重力の影響を受けにくいです。そのため、強い圧がなくとも自然と血液が心臓へと流れていきます。
しかし、日中は立ったり座ったりすることで血液が足に溜まりやすくなります。足に溜まった血液を心臓へ戻すサポートをするために強めの圧力設計になっているのが日中用の着圧ソックスです。
妊娠中に日中用を寝る時に使うのはアリ?
妊娠中に日中用の着圧ソックスを寝る時に使用することは避けたほうがよいでしょう。日中用は立ち仕事や長時間のデスクワーク中に使用することを想定しています。そのため、夜用の着圧ソックスに比べると強めの圧力で設計されています。
就寝時、足に強い圧をかけ続けると血行が悪くなり身体に負担を掛けてしまいます。また、寝る時につま先まで覆ってしまうと体温調節が上手くできず睡眠の妨げになるので、つま先カットタイプの夜用着圧ソックスがおすすめです。
日中用と夜用どちらを選ぶべき?

妊娠中に着圧ソックスを使用する時は、使用状況によって日中用と夜用を使い分けると良いでしょう。立ち仕事やデスクワークなどを行うことの多い昼間は日中用、睡眠時など横になってリラックスするような場合は夜用の着圧ソックスがおすすめです。
また、着圧弱めやマタニティ用など、妊娠中の方におすすめな締め付けの強すぎない着圧ソックスもあります。足のサイズや締め付け感など、自分にあった心地よい着圧ソックスを選ぶことが大切です。
▶︎日中用の着圧ソックスについて、詳細はこちら!
寝る時に着圧ソックスを履いているのに効果がない?妊娠中やりがちなNG習慣5選

「寝る時に着圧ソックスを履いているのに、むくみや疲れがなかなか改善されない・・・」
そんな悩みをお持ちの方は、以下のようなNG習慣をしていませんか?
- 毎日履きっぱなしで肌や血流に負担をかけている
- 冷えた足にそのまま履いている
- 食生活が乱れている
- 運動不足になっている
- ストレスが多い環境にいる
それぞれ、1つずつ詳しくみていきましょう。
毎日履きっぱなしで肌や血流に負担をかけている
着圧ソックスを毎日履きっぱなしにすると汗で蒸れてお肌に負担をかけたり、長時間の締め付けで逆に血行を悪くします。その結果、肌荒れや足の痛みに繋がることも・・・。
着圧ソックスの使用が初めての方は、30分や1時間など無理のない範囲から使用し、慣れてきたら徐々に着用時間を長くするのがおすすめです。最適な着用時間は個人差がありますので、自分に合った時間を見つけましょう。
また、着圧ソックスは清潔なものを使用することも大切です。
冷えた足にそのまま履いている
着圧ソックスを使用することで足を温める効果もありますが、足が冷えたまま着用するのは避けましょう。
足先が冷えやすい方は、着圧ソックスを履く前に足をマッサージするとより効果的です。足首やふくらはぎ、太ももを優しくマッサージしてから履くと血行がよくなりむくみや疲労が改善しやすくなります。
また、寝る時に足の位置を少し高くすることもおすすめです。足の下にブランケットや枕などを入れることで、より血行がよくなります。
食生活が乱れている

むくみを改善するにはバランスの良い食事も大切です。特に塩分の摂りすぎはむくみやすくなります。味付けの濃い料理や外食が多くなると、塩分を過剰に摂取しがちです。
塩分は控えめに、鉄やビタミン・葉酸・カルシウムなどがしっかり摂れる緑黄色野菜や魚などバランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
ホルモンバランスの変化で体調がよくない日も多くあるでしょう。そんな時は、遠慮せず家族やパートナーに助けてもらうことも大切です。
運動不足になっている
運動不足になると血流が悪くなりむくみやすくなります。妊娠すると激しい運動はできませんが、軽い運動であれば可能です。
- 妊娠体操
- ストレッチ
- ウォーキング
上記のような軽い運動を体調が良い時に行うようにしましょう。
最近では、マタニティヨガやマタニティビクスといった妊婦さん向けのエクササイズなどもあります。お腹の張りや痛みなどに十分注意して、無理のない範囲で運動不足を防ぎましょう。
ストレスが多い環境にいる
妊娠中にストレスを溜めてしまうと、身体の不調を起こしやすくなります。ホルモンバランスの変化で、今まで気にならなかったようなことでもストレスを感じやすくなるでしょう。
身体や赤ちゃんへ負担がかからないように、周りの環境を整えたり十分な睡眠や休息を取る必要があります。慣れない妊婦生活で不安や悩みも多いと思いますが、1人で抱え込まず家族やパートナー、友人など周りの人に相談することも大切です。
妊娠中寝る時に着圧ソックスを使えない場合の代替ケア

着圧ソックスを持っていない方や医師から着圧ソックスの使用を止められている。
このようにやむお得ない事情で着圧ソックスが使用できない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方には以下のようなケアがおすすめです。
- 足を上げて寝る
- ストレッチやマッサージをする
- 体を温めて寝る
ここでは着圧ソックスを使用できない方向けに、簡単にできる代替ケアを3つ紹介します。
足を上げて寝る
まず一つ目の代替ケアは、足を上げて寝ることです。足のむくみは血行が悪くなり、足に血液が溜まることで起こります。そのため、足を体より少し高い位置にしておくことで血液を心臓へ戻すサポートをし、むくみや疲労を改善しやすくなるのです。
足の位置を高くするには、クッションや枕、ブランケットなどを足の下に入れておくとよいでしょう。
ストレッチやマッサージをする

2つ目のケアは、ストレッチやマッサージです。妊娠中は体内の血液の増加や血管の圧迫、運動不足などにより血行が悪くなる傾向があります。血行が悪くなるとむくみや疲労の原因になりますので、ストレッチやマッサージをすることで血流をよくしましょう。
特に、第二の心臓ともいわれるふくらはぎはポンプ機能も担っているので、しっかりとマッサージしておきましょう。
体を温めて寝る
体を冷やすと血行が悪くなり、むくみやすくなります。冬場に限らず夏場でもお腹や足を冷やさないように、腹巻きや靴下を着用しましょう。
また、お風呂に浸かることも効果的です。冷えの改善だけでなく疲れが取れやすくなったり、寝つきもよくなりますのでシャワーだけで済ませず、入浴もしっかりと行いましょう。長時間お湯に浸かるとのぼせてしまいますので、10分程度の入浴が好ましいです。
妊娠中に着圧ソックスを寝る時に使用して医師に相談すべきサイン

妊娠中の寝る時に着圧ソックスを使用していて、体にいつもと異なる変化があった時、医師に相談すべきか迷うこともあるでしょう。
- 足や足首の痛みや不快感が増す場合
- 着圧ソックスの跡が長時間消えない、または皮膚が赤くなる
- 足のしびれや感覚の変化を感じる
上記のような変化があった場合は医師に相談しましょう。
足や足首の痛みや不快感が増す場合
着圧ソックスを履いていて足や足首の痛みや不快感が増す場合は、医師に相談しましょう。圧力が強すぎたりサイズが合っていない、肌に合っておらず負担がかかっているなど、理由は様々でしょう。
自己判断で放置していると痛みが強くなったり、しびれが出るなど症状が悪化する場合もあります。体の不調は赤ちゃんにもよくありません。早めに医師に相談することが大切です。
着圧ソックスの跡が長時間消えない、または皮膚が赤くなる
着圧ソックスの跡が長時間消えなかったり、着圧ソックスを使用すると皮膚が赤くなる場合は注意が必要です。
- 着圧ソックスの跡が長時間消えない場合
- サイズが合っていない
- 長時間履きっぱなし
- 圧が強い
- 皮膚が赤くなる場合
- 圧が強すぎる
- 摩擦
- 素材が肌に合わずアレルギー反応を起こす
それぞれ上記のような原因が考えられますが、症状によっては変形性膝関節症や静脈瘤などを引き起こす場合があります。症状がひどくなる前に早めに受診することが大切です。
足のしびれや感覚の変化を感じる

着圧ソックスを使用していると足のしびれがでたり、いつもと感覚が違うなどの変化を感じることがあるかもしれません。
一時的なものであれば様子をみても構いませんが、頻繁に症状が現れる場合は医師に相談しましょう。強い圧で神経を圧迫していたり、血行不良をおこしていることもあります。
酷くなると足根管症候群や腓骨神経麻痺なども考えられますので、そうなる前に医師に相談しましょう。
まとめ
今回は、妊娠中のむくみで悩んでいる方に向けて、着圧ソックスを寝る時に使用するメリットや夜用と昼用の着圧ソックスの違いなどについて解説してきました。
- 着圧ソックスを寝る時に使用するメリット
- 起床時にすっきりする
- 足の冷えを防ぐ
- 夜用と昼用の着圧ソックスの違い
- 圧力の強さ
妊娠中の寝る時には着圧の強すぎない夜用の着圧ソックスを使用し、快適な睡眠を取ることが大切です。圧力の強すぎるものを長時間履き続けると、体の不調に繋がるため自分に合ったものを選びましょう。
妊娠中の着圧ソックスに関するよくある質問
妊娠中に着圧ソックスを使用する際は、赤ちゃんへの影響や着圧ソックスの種類による違いなど、気になることも多いでしょう。以下では、妊娠中の着圧ソックスに関するよくある質問に答えていきます。
- 妊娠中に寝るとき着圧ソックスを履いても赤ちゃんに影響はありませんか?
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妊娠中に着圧ソックスを使用すること自体はもんだいありません。しかし、圧力の強すぎる着圧ソックスを使用すると赤ちゃんの負担になることもあります。
そのため、着圧が弱いマタニティ用の着圧ソックスを利用するなどの工夫をしましょう。自己判断での使用が不安な場合は医師に相談するのも一つの手です。
- 夜用の着圧ソックスと昼用の違いって何ですか?妊娠中でも使い分けたほうがいい?
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夜用の着圧ソックスと昼用の大きな違いは、着圧の強さです。夜用は睡眠中に長時間着用しても負担にならないよう、昼用よりも着圧が弱めに設計されています。
昼用は立ったり座ったりと足に血液が溜まりやすいため、強めの圧力で血流をサポートします。妊娠中のむくみや疲労を効率的に改善するためにも、夜用と昼用の着圧ソックスは使い分けることがおすすめです。
- 妊娠中に着圧ソックスを履いて寝ると、足のむくみは本当に改善しますか?
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妊娠中、着圧ソックスを履いて寝ることで足を温め血行をよくする効果があります。むくみの原因はホルモンバランスの変化による血液量の増加や、運動不足により血行が悪くなることにあります。
そのため、寝る時に着圧ソックスを履くことで、翌朝のむくみや疲労が改善したり、いつもよりすっきり起きれる方が多いです。
- 寝るときに着圧ソックスを履くと血流が悪くなるって聞いたけど大丈夫?
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寝る時に着圧ソックスを履くと血流が悪くなる方は、着圧ソックスのサイズが合ってなかったり、圧力が強すぎることが原因と考えられます。
自身の体やお腹の赤ちゃんに負担をかけないためにも、自分に合った着圧ソックスを選んだり、正しい方法で使用することが大切です。また、使用している際に体に気になる変化がある場合は、早めに医師に相談しましょう。