「妊娠中のこむら返りを改善するにはどうしたらいい?」
「妊娠中でも使用できる着圧ソックスを知りたい」
このような悩みはありませんか?
結論からいうと、妊娠中のこむら返りの対策には着圧ソックスがおすすめです。とはいえ、妊娠中に使用してはいけない着圧ソックスもあります。
本記事では、妊娠中にこむら返りが起きる原因や対策、妊娠中でも使用できる着圧ソックスについて紹介します。妊娠中のこむら返りで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
妊娠中にこむら返りが起きる原因とは

妊娠中にこむら返り(足がつる)が起きる原因は以下のとおりです。
- 筋肉疲労が蓄積されているから
- ミネラルが不足しているから
- 体が冷えているから
- ホルモンバランスの乱れ
- むくみ
それぞれ解説します。
筋肉疲労が蓄積されているから
妊娠中は体重が増加し、お腹が大きくなることで、ふくらはぎの筋肉の負担が大きくなりがちです。歩行や姿勢維持のためにふくらはぎに負担がかかり、筋肉疲労が蓄積しやすい状態になります。
さらに、妊娠後期になると赤ちゃんの体重増加や胎盤、羊水、血液量の増加で、数ヶ月で約6〜8kgお腹が重くなります。例えるなら、歩くたびにハードな筋トレをしている状態です。
その結果、血流が滞りやすくなり、こむら返りが起きやすくなります。
ミネラルが不足しているから
ミネラル不足は、妊娠中にこむら返りが起きる原因のひとつです。妊娠中は、赤ちゃんの成長に必要な栄養素を優先的に届けるため、ミネラルが不足してしまいます。
ミネラルは、筋肉や神経、ホルモンの働きを調節し、骨や血液の材料になる重要な栄養素です。しかし、妊娠中は摂取したミネラルが赤ちゃんに優先的に送られ、子宮へ大量の血液を送り込むため、妊婦さんの体は栄養不足になりがちです。
たとえば、ミネラルのひとつであるマグネシウムが不足すると、筋肉の収縮がうまくいかず、こむら返りが起きやすくなります。このように、ミネラル不足がこむら返りが起きる原因と考えられます。
体が冷えているから

体の冷えもこむら返りが起きる原因のひとつです。妊娠中は、ホルモンバランスの変化により自律神経が乱れやすく、お腹が大きくなって姿勢が変化することで血流が滞りやすくなります。
冷えは血行不良や筋肉の硬直の原因となるため、こむら返りが起こりやすくなるのです。また、夏場の冷房による冷えや、冬の寒さによる体温低下も影響を与えるため、対策が必要です。
軽いストレッチや入浴、衣類や湯たんぽで体を温めるなどして冷え対策を行いましょう。
むくみ
むくみも血流が滞りやすくなるため、こむら返りが起きやすくなる原因のひとつです。特に、妊娠後期になると体内の水分量が増えるため、血行不良が起こり、足のむくみにつながります。
また、運動不足や立ちっぱなし、座りっぱなしも血流を滞らせて、むくみにつながるので注意が必要です。むくみによって血流が悪くなると、筋肉が正常に働かず、こむら返りが起こりやすくなります。
妊娠中にこむら返りになった時の対策

ここでは、妊娠中にこむら返りになった時の対策を足の部位別で解説します。ポイントは、つった部分の筋肉をゆっくり伸ばすことです。
まず足のどの部分がつったのか見極める
こむら返りが起こった際は、対策を講じる前にどの部分がつっているのか把握しましょう。なぜなら、ふくらはぎ、太ももの裏、足の指など、つる部位によっても対処法が異なるためです。
足の指がつった場合は、つった方向に曲がっているため、判断しやすいでしょう。あまりの痛さに冷静ではいられなくなるかもしれませんが、痛みを感じる部分を触り、冷えていないか確認するのも大切です。
こむら返りが起きた部分を把握したうえで、次の対策を試してみてください。
ふくらはぎがつった時の対策

ふくらはぎがつった場合は、ふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)を伸ばすことが大切です。
そもそもこむら返りとは、ふくらはぎの筋肉がけいれんして過剰に収縮した状態のことを言います。そのため、最もこむら返りが起きるのがふくらはぎの筋肉です。対策は以下のとおりです。
座っている状態
まず、足を伸ばした状態で、つま先をゆっくりと上に向け、自分の方向に引っ張りふくらはぎの筋肉を伸ばします。無理に動かそうとすると逆に痛みが増すため、呼吸を整えながら少しずつストレッチすることが大切です。
寝ている状態
座った状態で、つま先を自分の方向に引っ張り、ふくらはぎの筋肉を伸ばします。この場合も強い力で動かそうとせず、ゆっくりストレッチさせてください。
太ももの裏がつった時の対策
太ももの裏(ハムストリング)がつった場合も、伸ばすことを意識しましょう。太ももの裏がつると、歩くのが困難になるほどの強い痛みを感じることがあります。まずは深呼吸し、焦らずに対処することが大切です。
座っている状態
座った状態でゆっくりと足を伸ばし、つま先が上を向いた状態で前屈すると筋肉がゆっくりと伸びていきます。
立っている状態
つった足を一歩前に出し、つま先を上げた状態で前屈すると、ハムストリングを効果的に伸ばせます。立ったままのストレッチが難しい場合は、壁や椅子を支えにして少しずつ筋肉を伸ばすのもよい方法です。
寝ている状態
寝ている状態でつった場合は、まず座った状態になり、つった足を前に伸ばしてつま先を上げます。そのまま、ゆっくりと上体を前に倒して筋肉を伸ばしましょう。急な動作を避け、無理に動かさずに少しずつマッサージを行うことが大切です。
足の指がつった時の対策

足の指がつると、ピリピリとした痛みが走り、指が勝手に縮こまってしまう感覚を覚えるでしょう。まず、指をゆっくりと反らせるようにしながら、手で優しくマッサージします。指を1本ずつ時間をかけながらほぐすことで、血流が改善し、痛みが和らいでいきます。
妊娠中にこむら返りが頻発する時の対処法

妊娠中にこむら返りが頻発する時の対処法は以下のとおりです。
- 軽い運動を行う
- 水分摂取をこまめに行う
- ミネラルを摂取できる食事を取る
- つった部位をマッサージする
- 妊婦用の着圧ソックスを利用する
それぞれ解説します。
軽い運動を行う
妊娠中にこむら返りが頻発する場合、血行を改善するために、軽い運動を取り入れるのがおすすめです。たとえば、軽いウォーキングやストレッチは、足の血行を促し、冷えからくるこむら返りの予防が期待できます。
また、妊娠中のストレスを発散する効果も期待できるのでおすすめです。ただし、急激に心拍数が上がったり、汗をかくような運動は逆効果になるため注意しましょう。体調に合わせてゆっくりと始めることが大切です。
水分摂取をこまめに行う

こむら返りの予防をするために、水分摂取をこまめに行いましょう。妊娠中は代謝量や血液量が増加するため、より多くの水分を必要とします。水分が不足すると血行が悪くなり、こむら返りが起こりやすくなります。
ポイントは、喉の渇きを感じる前にこまめに飲むことです。一度に大量に飲んでしまうと、体調不良の原因にもなるため注意してください。
また、カフェインの入った飲み物は赤ちゃんに影響が出る可能性があるので、水やノンカフェインのお茶を選ぶと良いでしょう。
ミネラルを摂取できる食事を取る
こむら返りは、カルシウムやマグネシウム、カリウムといったミネラル不足が原因となることがあります。食事内容が偏っている方は、これらのミネラルが不足しがちです。
たとえば、以下のような食材にミネラルが多く含まれています。
- カルシウム:チーズや牛乳
- マグネシウム:ひじき、アーモンド、枝豆
- ナトリウム:醤油、味噌、大根
- カリウム:アボカド、バナナ
赤ちゃんの発育に必要な栄養素となるため、バランスの取れた食事を心がけましょう。食事から摂取することが難しい場合は、サプリメントを併用するのがおすすめです。
つった部位をマッサージする

妊娠中にこむら返りが起こったときは、つった筋肉をゆっくりとマッサージすることで、痛みを和らげます。妊娠中はむくみや冷えなど、体が変化しやすいため、積極的なケアが必要です。
ふくらはぎの場合は、優しくさするようにマッサージするだけでも血流が改善されます。ただし、足には子宮を刺激するツボがあると言われているため、強く押したり長時間揉んだりしないように気をつけてください。
また、ストレッチで筋肉を伸ばすことも、こむら返りの予防には効果的です。ストレッチの方法は以下のとおりです。
- 足を伸ばして座る
- 状態を前に倒し、足の指を自分の方向に向ける
- 2の状態を10秒間キープする
ストレッチもお腹が圧迫される恐れがあるため、無理に行わず、次に紹介する方法を試してみてください。
妊娠中のこむら返りには着圧ソックスがおすすめ
妊婦用の着圧ソックスを利用する
妊娠中は血流が滞りやすく、むくみが原因でこむら返りが起こることもあります。妊婦用の着圧ソックスを着用することで、ふくらはぎに圧力をかけて血流をサポートし、むくみや冷えの予防が期待できます。
軽い運動やマッサージは、妊婦さんによってはできないこともあるでしょう。着圧ソックスは、妊娠中でも簡単に履けるのでおすすめです。
ただし、締め付けが強すぎる商品を選ぶと逆効果になります。自分に合った着圧ソックスを選ぶことが重要です。
まとめ
妊娠中のこむら返りは、筋肉疲労やミネラル不足、冷え、むくみなどが原因で起こりやすくなります。対処法として、軽い運動や水分補給、バランスの取れた食事が効果的ですが、日常生活で取り入れやすい着圧ソックスの使用もおすすめです。
着圧ソックスは、適度な圧力でふくらはぎの血流を促し、むくみや冷えの改善が期待できます。ただし、商品選びを間違えると逆効果になるため、「マタニティ用」や「妊婦向け」と記載されたものを選ぶことが大切です。